プロのピアニストが持つ体の特徴とは? | パーソナルトレーニング
こんにちは、リラトレトレーナーの前田です。
10月に、ドラマーの妻のバンド「Famous Japanese」に帯同して、韓国に行ってきました。
そこで、バンドメンバーのコンディショニングを担当し、
音楽演奏家の方々の身体がまるでアスリートであることを実感しました。
前回の記事では打楽器・パーカッショニストのTAKAFUMIさんについてご紹介しましたが、
今回は鍵盤楽器・ピアニストの迫香緒里さんについて綴りたいと思います。
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職業音楽家というアスリート / パーソナルトレーニング
前田 啓人 : ライター(リラトレトレーナー)
東京都中野区生まれ。理学療法士。
2013年に国家資格の理学療法士免許取得後、病院(急性期、回復期、療養、訪問)、デイサービス、訪問看護ステーションで10年臨床経験を重ね、2023年4月にリラトレ トレーナーとしてリラトレを開業。
3月にタイ現地にて政府認定タイ式マッサージのインストラクターの資格を取得。
2024年より整形外科クリニック勤務。4月大学院(保健医療学修士課程)入学。
野球と筋肉が好きなオタク。
演奏家の身体はまるでアスリート
普段、クラシックピアニストとして活動されている迫さんは、子どもたち向けに沢山の音楽を知り聴く機会を設ける活動もされています。
コンディショニングをした際に特に印象的だったのが、
とにかく両手の小指が発達しているということでした。
迫さん曰く、「昔から小指だけで一曲弾く練習をしている」とのこと。さすがです!!
確かにピアノを弾く時に小指を動かすことはすごく難しいですよね。
なるほど、これがプロの技の秘訣かと思いました。
演奏家の身体ケアの重要性とは?
その代わり、背筋を真っ直ぐに保ったまま、右足でペダルを踏み続けなければならないのも、
ピアノを弾く時の特徴のひとつです。
その結果、右ふくらはぎと腰背中(特に左腰)が硬くなりやすいと考えられます。
迫さんの背中も硬くなっていて、首肩の凝りが強くなっていました。
身体の問題が演奏に影響を与える理由
先日、演奏ツアーから帰国した後、当院に来院くださいました。
気になっている箇所をお伺いすると「首肩の凝りが強くてストレートネックになっている」と仰っていました。
ストレートネックは副交感神経の働きを障害し、頭痛やめまい、さらには、目の不調、ドライアイ、ドライマウスといった不定愁訴が現れます。
また、ストレートネックが重症化すると、首の血管や神経が圧迫されて、腕や手足にしびれが起こりやすくなります 。
ピアノを続けていくために、改善しなければならない問題点です。
そのため、右ふくらはぎと腰背中、首肩が柔らかくなるように、重点的にコンディショニングを行いました。
ピアノの開発の歴史とピアニストの筋力
妻から聞いた実に興味深い逸話として、ピアノの歴史は長く、その発展はピアニストの身体的側面にも深く関わっているようです。
たとえば・・・
ピアノのご先祖さまといえば、「クラヴィコード」や「ハープシコード」といった楽器があります。これらは指先の動きのみで演奏される楽器でした。
その後にイタリアで発明されたピアノの原型も指先の動きのみで弾く奏法から始まったと言われています。
さらにピアノ音楽が発展するにつれて、より広い音域や大きな音量、確実に連打が可能なアクションが求められるようになってくると、鋼鉄弦や鉄骨のフレームが導入され、アクションも画期的な改良がなされました。
これらに伴い鍵盤の重量が増したことから、指先のみの演奏から上肢全体による奏法へと変化したのです。
改良は数々行われ、弦もより強く張られ、ハンマーもより弾力性のあるフェルトが用いられるようになり、張りのある豊かな音を持つ現代のピアノの形が完成しました。
この進化の結果、ピアノの楽器としての機能は向上しましたが、同時にピアニストの身体への負担も増大しました。
体格や筋力は人それぞれ異なるため、全ての人に適した奏法は存在しないと言われています。
ピアノ演奏はまさにスポーツと同じく、身体的な要素も重要なのです。
しかし、ピアニストたちはこれらの課題を克服するためにトレーニングされているのでしょう。
その中でも、数々の卓越した演奏技術や音楽性を持つ方々が存在します。
迫さんもまさしくその1人ではないでしょうか。
まとめ
パーカッショニストのTAKAFUMIさんや、ドラマーの妻・前田紗希の時にも感じましたが、迫香緒里さんの小指もアスリートのようでした。
一般人が一朝一夕に身につけられるような物ではないことを実感しました。
プロ演奏者の凄さを感じるとともに、自分もプロとして頑張らないといけないと触発されました!
職業として楽器を演奏する方は、身体の特定の部位に負担がかかりやすい傾向にあります。
そのため、身体のケアを怠ると、怪我やパフォーマンスの低下につながる可能性があります。
音楽演奏家の方々に向けて、身体のケアや、長く演奏を続けられる方法をお伝えできればと願っています。
参考 :
1) 日本教育医学会 第65回大会 学会大会推薦論文(2019) ピアノ演奏形態による上肢筋群の活動度
2) 河合楽器製作所 ピアノの歴史
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リラトレで出来ること
① お話を伺って、病院受診が必要かどうかのご提案が出来ます。
② 痛めた直後の場合、痛めた箇所の周りの箇所のリラクゼーションやストレッチ、トレーニングを行い、痛めた箇所への負担を楽に出来ます。
③ 痛めてからしばらく経っている場合、痛めた箇所のリラクゼーションやストレッチ、トレーニングを行い、痛めた箇所そのものを楽に出来ます。
④ なぜその場所を痛めたのか、間接的な原因を探り、その原因へのアプローチをすることが出来ます。
⑤ ご自身で行える対処方法のご提案が出来ます。
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宜しくお願いします。
リラトレトレーナー 前田 啓人